改葬の費用っていくらくらいかかるの?

改葬の費用っていくらくらいかかるの?2

近年増えているお墓のお引越し「改葬」には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。今回は改葬にかかる費用を、項目ごとに分けながらご紹介します。

改葬とは?

改葬とは、お墓のお引越しのことをいい、お墓の移しかえや、お墓を処分することをいいます。近年では故人の家族だけでなく、生前に本人が改葬を行うケースも増えるなど、改葬への注目が集まっています。


改葬は管理面での負担増が要因

改葬をする理由として多いのが、管理面での問題です。ライフスタイルの変化から、「お墓を継承する人がいない」「管理する負担が大きい」といった問題が増えてきました。また、生前に「家族に負担をかけたくない」と、納骨堂などへ改葬するケースも多くみられます。


改葬の費用は大きく2つに分けられる

では、具体的に改葬にかかる費用について見ていきましょう。改葬にかかる費用を考える際、大きく2つに分けることができます。

  • お墓を処分する費用
  • お墓を移す(新しく建てる)費用

それぞれの項目ごとに詳しくみていきましょう。


お墓を処分する費用

改葬を行う際、まずお墓を処分しなければなりません。お墓を処分する場合、次のような費用があげられます。

  • 墓石・区画処分費用
  • 遺骨取り出し費用、閉眼供養
  • 離檀料

墓石・区画処分費用(30~50万円)

墓石を処分する場合、使用していた区画を元通りの状態に戻さなければなりません。この工事にかかるのが墓石・区画処分費用です。費用の目安は30~50万円とされ、区画の大きさや使用する重機によって変動します。


遺骨取り出し、閉眼供養(4~6万円)

お墓から遺骨を取り出す際も費用がかかります。費用の相場は4~5万円程度。また、お墓から魂を抜く「閉眼供養」を行う場合は、別途お布施が必要です。

お布施には決まった金額はありませんが、1万円程度が目安となります。供養を行うかどうかを含め、あらかじめ管理者と相談しておくのもよいでしょう。


離檀料(0~数十万円程度)

お墓を処分する際に注意したいのが、お寺の檀家をやめる料金「離檀料」です。お寺にお墓を建てた際、この離檀料のことを知らされておらず、トラブルにつながることがあります。費用も数十万円程度と少なくないため、あらかじめ確認が必要です。


お墓を移す費用

次に、お墓を移す場合の費用についてみていきましょう。お墓を移す際にかかる費用には、次の4つがあげられます。

  • 運搬費
  • 施工+石代
  • 開眼法要
  • 永代使用料

運搬費(10万円程度)

お墓を別の場所に移すための運搬費は、10万円程度が相場となります。この場合、移動する距離によっては金額が上下することを覚えておきましょう。


施工+石代(100~300万円)

新しくお墓を建てる場合は、工事費用にあたる施工代と、お墓の石代がかかります。費用の目安は100~300万円。金額に幅があるのは、石の種類や使用する量によって、金額が変動するため。

墓石の金額は産地や材質、耐久性などによって価格の差が大きいため、あらかじめどんな石があるのか下調べしておくとよいでしょう。


開眼法要(3~5万円)

新しいお墓に魂を込める「開眼法要」。開眼法要を行う場合は、読経を行う僧侶にお布施を包みます。費用の目安は3~5万円。霊園などによっては希望によって開眼法要を行わないこともあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。


永代使用料(70~300万円)

お墓を新しく建てるには、その土地を永代的に使用する永代使用料を払わなければなりません。永代使用料は霊園によって価格帯に差があり、立地条件がよく人気が高いほど価格も高騰する傾向にあります。

例えば、公営の青山霊園であれば420万円。東京の民間墓地である高輪メモリアルガーデンでは130万円と、運営形態によっても違いがあります。改葬の費用を計算する場合は、新しく移るお墓の永代使用料を選ぶ基準にしてみるのもよいでしょう。


改葬の費用をシミュレート

ここまで改葬の費用について、「お墓を処分する費用」と「お墓を移す費用」の2つに分けてご紹介してきました。では、両者の費用を合計した金額はどの程度になるのか、実際にシミュレートしてみましょう。

ここでは、費用の真ん中の数字を参考として計算します。また、お墓を移す費用では、新しくお墓を建てることを想定して計算します。


改葬費用の目安は300万円前後

【お墓を処分する費用】

40+5+5=50万円

  • 墓石・区画処分費用(40万円)
  • 遺骨取り出し費用、閉眼供養(5万円)
  • 離檀料(5万円)
 

【お墓を移す費用】

150+4+150=304万円

  • 施工+石代(150万円)
  • 開眼法要(4万円)
  • 永代使用料(150万円)

【合計の費用】

50+304=354万円

施工費や墓石代、永代使用料は参考とした数字よりも安く抑えることができる点を考慮すると、改葬の費用は300万円前後が目安となりそうです。

2008年の毎日新聞の調査でも、改葬にかかる費用の平均総額は200~300万円程度と発表されており、シミュレートした金額と近いことがわかります。お墓の改葬を行う際は、ご紹介した費用の目安を参考にしながら、予算や条件などと照らし合わせながら検討してみましょう。


改葬許可申請書を忘れずに

最後に、改葬を行う際に必要な書類についてみておきましょう。改葬を行う際には、役所へ改葬の許可を申請しなければなりません。必要となる書類は次の3つ。

  • 改葬許可申請書
  • 埋葬証明書(納骨証明書)
  • 受入証明書(永代使用許可書)

改葬許可申請書は、改葬を行うことを市町村の役所に知らせるためのもの。埋葬証明書は、現在遺骨が埋葬されていることを証明する書類で、埋葬しているお墓の管理者から発行してもらいます。受入証明書は、新たにお墓を受け入れてもらう管理者から発行してもらう書類です。

この3つの書類を揃えて役所に提出すると、申請手続きが完了次第「改葬許可証」が発行され、改葬を行うことができます。埋葬証明書と改葬許可証を発行する際は、数百円~1000円程度の費用がかかることも覚えておきましょう。


改葬の費用はしっかりとシミュレートが必要

改葬には、あらかじめ知っておきたいさまざまな費用があります。いざ改葬を行う段階で「こんなに費用がかかるなんて…」と悩まないためにも、しっかりとシミュレートしておくようにしましょう。

メモリアルサービスでは、改葬に関するサポートを行っています。改葬のことで悩んだ際は、ぜひ私どもにご相談ください。

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